英語上達完全マップを読んだ

英語学習をちゃんと始めようと、英語上達完全マップを読んだので、気になった点をまとめました。

英語学習には

  • 英語を身に付けるための効率のいい方法を知っている。
  • 効率のいい方法を必要な量実行・継続する。

というのが重要です。もっとも効率的のいい方法とは何でしょう?それが

  • 文法・構文・語彙などと知識として学ぶ。
  • 学んだ知識を使うための回路をつくるトレーニングをする。
  • 可能な限り英語を使う場を作り、1、2で培ったを基底能力を駆使能力に変えていく。

英語力のベースとなるのは、文法・構文や語彙の「知識」と、その知識を円滑に活動させるための「回路」の2つの側面があります。 それらを身につけると、大量の英語にふれ、実践的な能力に変えることができるようになります。

ベースとなる知識と回路を伸ばすためのトレーニング方法を、説明していきます。

レーニングの進め方

  1. 中学レベルの英語で英語の回路を作る。
    • 中学の英語テキストの音読パッケージ
    • 中学文型の単文暗唱=瞬間英作文(第1ステージと第2ステージ)
    • この2つを徹底的にやる
    • 後期には、大学受験レベルの精読とわかりやすい文法書などを用いて文法の概略やり、次のレベルへの準備をする
  2. 大学受験レベルの文法・構文をマスターし、精読で正確な読解と基本語彙を獲得する。
    • 音読パッケージは、よりレベルの高いテキストの素材へ(精読したものを使う)
    • 短文暗唱=瞬間英作文も、大学受験レベルへ(第2ステージと第3ステージ)
    • もう一つの重要なテーマは、大学受験用文法問題集により文法をマスター
  3. プレ多読の導入、ボキャビルの開始
    • 音読パッケージは回数を減らす
    • 短文暗唱=瞬間英作文は第3ステージ真っ只中
    • 大量の英語に触れていくリスニングに力を入れ始める
    • 使用語彙制限がある本などでプレ多読
    • ボキャビルを開始
  4. 学習期の終わり。多読、リスニング、会話などで大量の英語に触れる。
    • ボキャビルで獲得した語彙力で一般の本、新聞、雑誌を多読
    • 音読パッケージも卒業
    • 単文暗唱=瞬間英作文も必要に応じて
    • 生の英語に触れ実践的に英語力を保持、向上

このようなステップで、トレーニングを進めていくといいでしょう。 音読パッケージと、単文暗唱=瞬間英作文は、知識を稼働させて実際に英語を使うための、回路をつくるトレーニングになります。 詳しく見ていきましょう。

音読パッケージとは

音読はあらゆる面の英語力向上に効果があります。 音読をリピーティングとシャドーイングで挟み込むことにより、最大の効率と効果を図る方法が、音読パッケージです。 リピーティングはリテンション(保持)とも呼ばれます。1センテンスや1フレーズづつ、聴いて理解した英語を、そのまま繰り返します。 シャドーイングは、リピーティングとは異なり、ポーズのない英語の後を聴きながら少し遅れて同じ英文を繰り返すトレーニングです。

音読パッケージのやり方

同じテキストをなんどもぐるぐると繰り返すことを、「サイクルを回す」あるいは「サイクル法」といいます。 使える技術にするためには、一回理解しただけではなく何回も同じことを反復することが絶対に必要です。

まず英文をしっかりと読み解いてください。文構造を完全に把握して、意味、使い方が曖昧な単語は辞書を引いて確認してください。音読では英文を100パーセント理解していることが前提になります。

サイクル テキストを見ながらのリピーティング 音読 テキストを見ないリピーティング シャドーイング 合計
1サイクル 5回 15回 5回(テキストを見ながらのリピーティングでもOK) 5回 (テキストを見ながらのシャドーイングか音読でもOK) 30回
2サイクル 3回 10回 3回 3回 20回
3サイクル 2回 6回 3回 2回 15回
4サイクル 2回 4回 3回 1回 10回

4サイクルを4回繰り返すことで、合計100回ほどになるので、それを目指しましょう。 最初は、中学2年、3年のテキストで音読パッケージを実施すると良いでしょう。

短文暗唱=瞬間英作文とは

音読パッケージとともに英語の内在化トレーニングの2本柱を成すトレーニングです。 このトレーニングの主要な目的は、言いたいことが瞬時にばね仕掛けのように口から出てくる回路の獲得です。 注意ポイントは以下の3つです。

  • 簡単な文を数多く作る
  • スピード、滑らかさを重視する
  • 暗記しようとしない

まず身につけなければならないのが、簡単な文を素早く、ひとつでも多く口から発していくことが大切です。 短文を暗唱するとき、スピーディー、かつなめらかになるまで口に収めなければなりません。

短文暗唱=瞬間英作文のステージ

短文暗唱=瞬間英作文は3つのステージに分かれ、ステージごとにテーマ、使用する教材のレベルも異なります。

第1ステージ=瞬間英作文回路の設置準備

教材には中学英語の構文・文法項目別の例文集などを用います。 重要なことは知らない語彙語彙・表現を含まない、ばからしいほどかんたんなテキストを使う。 英文を組み立てること以外の一切の抵抗をトレーニングから取り除くことができるからです。

  • 私は本を借りるために図書館に行きました。
  • 太郎は友達に会うために公園に行きました。
  • 彼女はその列車に乗るために走りましたか?

第2ステージ=瞬間英作文回路の設置完了

第1ステージでは一つの文法項目だけを使って練習するが、第2ステージでは文法・構文要素がランダムに使われた教材を使用する。 つまり、現在形を使った文の後に過去形や現在完了形が出てきたり、不定詞を使用した文の次に関係代名詞や受動態の文が現れるといったものです。

  • 私が昨夜観た映画は、インドで作られた。
  • 私が子供の頃住んでいた町には、公園がたくさんあった。
  • 彼女がなぜ怒っているのかわからなかったので、私は黙っていた。

第3ステージ=瞬間英作文回路の深化・拡大

中学英語という枠を取り払い、あらゆる構文、表現を吸収していきます。

短文暗唱=瞬間英作文のやり方

1サイクル目

  1. まず、日本語文の内容を理解して10文の英作文をします。1文につき長くても10~20秒で切り上げて下さい。
  2. 次に文ごとに英文を見て答えあわせをして理解納得してください。
  3. 英文を口に落ち着ける作業をします。
    • 理解・納得した英文を、テキストを見ながら何度か音読して下さい。
    • 口になじんだら、テキストから目を離し数回唱えます。
      • 文構造・意味をしっかり感じ、発話実感を込めて英文を読んでください。多少の芝居っ気が必要です。
    • スムーズに2~3回言えれば次の文に移って下さい。
  4. 10文全部の「英作文の流し」を行います。
    • 10文の日本文を見ながら、英文が口からすらすらとでるようにする
    • 途中で躓いた場合、ステップ3にもどる

これを何度か繰り返し、最初の文を忘れない程度実施したら、2サイクル目に移動してください。

2サイクル以降は、ステップ4の英作文の流しだけをやる。10サイクルくらいやるとよいでしょう。

精読とは

精読は、推測や勘に頼らず、英語を、英語の構造、レトリックそのままに正確に理解する力を培うために行います。 確かに、速読・多読は高度な英語力をつけるためには必須です。しかし、そのスタートはゆっくりであろうと、英文を正確に理解することであるのを忘れないで下さい。

精読のやり方

1.短時間で自分なりに英文を分析意味取りする

ある程度自分なりに文構造の分析をして、英文の趣旨、意味取りをやってそれで終わりです。

2.説明、解説の力を借りて理解する

テキストの解説、日本語訳を参考にして正確に英文を理解します。 文の構造、各単語の意味、使われ方、英文の趣旨を完全に理解してください。 知らない単語の意味を調べるために辞書を引くのは主にこのステップにおいてでいいでしょう。 また、この時に単語リストを作成してボキャビルを行うと、使用されている単語を取りこぼし無く覚えることができます。

3.トレース読み

指導者の説明やテキストの解説で理解した文を、少し時間的間隔を開けて、同じように分析、理解して読んでみる復習法です。 他人の説明を受けて英文を理解した場合、その読解はまだ仮のもので、自分のものになっていません。 1、2回程度トレース読みを繰り返せば、その文は完全に自分のものになります。

その他のトレーニング方法は、公式サイトへ http://mutuno.sakura.ne.jp/05-training.html

ヒッグス・グラフとの比較

何から勉強すべきか。という説は、色々あるが他に有名なものは、外国語教育の専門家によるヒッグスグラフというものらしい。

bestofbilash.ualberta.ca

  • 初心者
    • 単語50%
    • 文法20%
    • 発音20%
  • 中級
    • 文法40%
    • 単語25%
    • スピーキング等30%
  • 上級以上
    • 全部

こういうバランスでやっていくといいよ。という話。英語上達完全マップと比べると、単語をいつやるか。というのが大きな違い。 単語がわからないと、読めないというのはそれはそうだが、単語だけ学ぶモチベーションも難しい。

tsuchikazu.hatenablog.com

こちらの本にもあったが、結局のところ絶対的に必要なのは「量」だと思うので、単語が先でもあとでもあまり変わらないように思う。